【2024年】建売住宅の寿命の長さや注文住宅との違いは?メンテナンス方法も解説
家族で住む家を購入するときは、長い年月にわたって安心して住める家を選びたいですよね。
そこで今回は、建売住宅の寿命の長さや注文住宅との違い、建売住宅の寿命を伸ばすためのメンテナンス方法について解説します。
建売住宅の購入を検討している方は、ぜひ参考になさってください。
建売住宅の寿命の長さとは?
一般的な建売住宅の耐用年数は、約20年から30年です。
ただし、上記の年数は法定耐用年数に基づくものです。
法定耐用年数とは、税法上で建物の資産価値が認められる期間であり、賃貸物件運用や不動産売却時の経費計算に用います。
したがって、この年数が実際の寿命の長さとは限りません。
建物構造ごとの法定耐用年数
建売住宅の法定耐用年数は、建物構造によっても変わります。
具体的には、建物の材質によって以下のように定められています。
●木造または合成樹脂造:22年
●軽量鉄骨造:27年
●重量鉄骨造:34年
●鉄筋コンクリート造:47年
なお、法定耐用年数を超えても、建物に住めなくなるわけではありません。
この期間は、あくまで法律に基づく資産価値の計算の基準です。
実際の建物の寿命は、適切なメンテナンスによって大幅に延ばすことが可能です。
たとえば、木造住宅の場合、国土交通省の調査によると、1997年の平均寿命が約43年であったものが、2011年には約65年まで延びています。
建築技術の向上によって寿命が延びていると考えられます。
したがって、適切に管理された建売住宅は30年以上快適に住むことが期待できるでしょう。
建売住宅と注文住宅の違い
建売住宅と注文住宅の違いについて気になる方もいらっしゃるでしょう。
建売住宅は、土地とすでに完成している建物がセットで販売されるため、購入後すぐに入居が可能です。
設計に関する時間や労力が不要で、比較的安価に設定されていることが魅力です。
似たデザインの住宅を複数同時に建てることができるため、コストを抑えられます。
一方、注文住宅は自分の理想に合わせてデザインや間取りを自由に決められるため、高い満足度を得られる可能性があります。
しかし、土地の購入から始めるため、建築費用も高くなりがちです。
そのため、予算と希望をバランス良く考慮することが重要です。
建売住宅と注文住宅は寿命の長さが異なる?
建売住宅と注文住宅について、どちらの寿命が長いのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
結論から申し上げると、寿命に大きな違いはありません。
その理由は、以下のとおりです。
①建築基準法に基づいて建築するため
日本では、建築基準法に基づいて建物を建設します。
建築基準法は、建物の安全性を確保するために、耐震性や耐久性などの基準を設けています。
建売住宅も注文住宅も同じ基準に基づいて建てられるため、基本的に寿命は変わらないです。
法律に基づかない建築は違法になります。
建築基準法に適合していない建物は「検査済証」が発行されないため、建売住宅を購入する際にはこの点を確認することが大切です。
②住宅品確法による保証がある
さらに、住宅品質確保促進法(住宅品確法)では、新築やリフォームされる住宅に対して品質基準を定めています。
住宅品確法は建売住宅と注文住宅のどちらにも適用され、どちらも同様に品質基準を満たさなければなりません。
また、新築住宅には10年間の保証が義務付けられており、この期間内に欠陥が発見された場合、売主に補修を請求できます。
たとえば、住宅の柱や壁にひびが入っていたり、屋根からの雨漏りがあったりした場合、これらの問題は売主の責任にて無償で修理されます。
③住宅販売会社は保険の加入や供託義務がある
建売住宅は、一般的に同じ設計で複数の住宅が建てられるため、何棟かで同じような欠陥が見つかることもあり得るでしょう。
その際「販売会社が倒産してしまったら保証はどうなるのか?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、ご安心ください。
住宅瑕疵担保履行法により、住宅販売会社は購入者を守るために保険に加入するか、保証金を供託することが法律で義務付けられています。
この法律によって、もし販売会社が倒産しても、保険金や供託金から修繕費を受け取ることができるため、安心して建売住宅を購入することが可能です。
また、建売住宅も注文住宅も、同じ品質基準に則って建てられているため、基本的には品質に差はなく、長期的に住宅の品質を維持できます。
欠陥が発見された場合でも、修繕を請求することができるので、住宅の寿命に大きな違いは出ないでしょう。
どちらのタイプを選ばれるかは、他の要因による好みや希望条件に応じた選択が最適です。
建売住宅の寿命を延ばすためのメンテナンス方法とは?
建売住宅は、メンテナンスを計画的におこなうと、住宅の品質と寿命を保つことが可能です。
長期的に安心して快適に住むためにも、事前にメンテナンスのタイミングやポイントを把握しておくことが大切です。
建売住宅の寿命を伸ばすためのメンテナンス方法は、以下をご覧ください。
①外壁・屋根の塗装メンテナンス
外壁と屋根の塗り替えは、見た目の美しさを保つだけでなく、建売住宅の寿命を延ばすためにも欠かせないメンテナンス作業です。
外壁や屋根の塗装は、雨風や紫外線の影響を受けて徐々に劣化していきます。
塗装が劣化すると、外壁にひび割れが生じやすくなり、そこから雨水が侵入して木材が腐る原因となることがあります。
劣化を防ぐためには、約10年ごとに外壁や屋根の塗り替えをおこなうことがおすすめです。
見た目にひび割れがない場合でも、塗装は時間が経つにつれてその保護効果が低下します。
表面に目に見えるダメージがないとしても、定期的なチェックと適切なタイミングでの塗り替えを心がけましょう。
②雨漏りの修繕
雨漏りは、家のトラブルのなかでもとくに注意が必要な問題の1つです。
放置してしまうと、湿気やカビが生じ、建物の劣化を加速させてしまいます。
雨漏りの放置が結果として建売住宅の寿命を短くしてしまう原因となるのです。
とくに、木造住宅の場合、雨漏りによる水分が木材を腐らせ、腐った木材は強度を失い、建物全体の安全性にも影響を及ぼします。
実際に、木造住宅は築30年を過ぎると、約40%の住宅で雨漏りが発生しているとも言われています。
雨漏りは見過ごしてしまいがちですが、早期発見・早期修繕が、長く快適に住むための鍵です。
定期的に屋根や壁の点検をおこなえば、初期段階で雨漏りを発見・修繕することができ、住宅の寿命を延ばせるでしょう。
③シロアリ対策
シロアリは地面から床下に侵入し、木材に棲みついて柱や壁を腐食させるため、住宅の構造を脅かす深刻な問題です。
とくにキッチンや浴室など湿気の多い場所はシロアリの被害に遭いやすいため、5年ごとに防蟻対策をおこなうことをおすすめします。
定期的な防蟻処理により、柱や壁の内部での腐食を防ぎ、建物の寿命を延ばすことが可能です。
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④設備のメンテナンス
給排水管や空調システムなどの住宅設備も、定期的な点検と必要に応じた更新が必要です。
設備が古くなると故障のリスクが高まり、快適な住環境を損なうことにもつながります。
設備機器の交換・更新は、築10年から15年を目安に考えると良いでしょう。
まとめ
建売住宅の寿命の長さや耐用年数は建物構造によって異なり、近年は建築技術の向上により延びています。
建物は建築基準法に基づいて建築するため、注文住宅と寿命の長さは変わりません。
建売住宅の寿命を延ばすためには、定期的な外壁設備のメンテナンスと、雨漏りやシロアリの点検・対策をおこなうことが大切です。