【2024年】建売住宅が注文住宅より安いのはなぜ?その理由を3つのポイントから解説
一戸建ての購入を検討する場合、建売住宅と注文住宅の2種類がありますが、建売住宅のほうが安い価格で販売されるのが一般的です。
購入費用を抑えたい方や、早くマイホームを購入したい場合は建売住宅を検討する方がほとんどですが、価格が安いことに不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、建売住宅が注文住宅よりなぜ安いのか、その理由を3つのポイントから解説します。
建売住宅の購入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
建売住宅が注文住宅より安い理由1:人件費を削減できる
建売住宅が安い理由としてまず挙げられるのは、人件費を抑えられることです。
なぜ注文住宅より人件費を抑えられるのか、その理由は、注文住宅と建売住宅の建築方法が異なるためです。
そこでまずは、注文住宅と建売住宅の特徴を比較しながら、建売住宅の人件費が抑えられる理由について解説します。
注文住宅と建売住宅のそれぞれの特徴
注文住宅とは、施主が購入した土地、もしくは所有している土地に、オーダーメイドで建築する住宅のことです。
注文住宅を建てる場合は、設計会社や建築会社を自分で決めて、設計・施工を依頼します。
間取りや使用する材料などを一つ一つ自由に選べるため、自分好みのマイホームを建築できます。
一方で建売住宅は、建物と土地をセットで販売する住宅のことです。
間取りや使用する材料など、いくつかパターンが決まっています。
そのため、同じ仕様の住宅が何棟も並んでいるということも少なくありません。
建売住宅はなぜ人件費を抑えられるのか
建売住宅の人件費が抑えられる理由は、主に以下の3つです。
パターンが規格化されている
注文住宅の場合は、施主と設計士が打ち合わせをしながら、間取りや内装、外壁、設備などを一から決めていきます。
何度も見直して設計を変更することもあるため、時間と手間がかかり、その分費用がかさみます。
建売住宅は、パターンが規格化されており、何度も打ち合わせをすることはありません。
時間と手間を削減できるため、その分コストが抑えられるのです。
工期が短い
建売住宅は、特殊な設計がなく、注文住宅に比べて建築しやすいのが特徴です。
複雑な施工がない分、工期が短縮できるため、人件費を抑えることができます。
注文住宅の場合、完成までに半年~1年程度かかるのが一般的ですが、建売住宅は、2か月~3か月程度で完成するケースがほとんどです。
現場管理費を削減できる
建築工事の現場には、現場監督や施行監理者が配置されます。
さまざまな工程ごとに確認が必要になり、複雑な工事になれば、その分管理費がかかります。
しかし建売住宅の場合、先述のとおりパターンが規格化されているため、確認作業が減り、現場管理や施工管理にかかる人件費を抑えられるのです。
建売住宅が注文住宅より安い理由2:スケールメリットがある
スケールメリットとは、材料を大量に仕入れることでコスト削減に繋がる効果のことです。
建売住宅が安い2つ目の理由として、このスケールメリットを得られることが挙げられます。
どういうことなのか、具体的に解説します。
広い土地を仕入れて分割する
建売住宅は、広い土地をいくつかの区画に分割し、その区画ごとに住宅を1棟ずつ建築して販売するケースが多く見られます。
大きさや外観が同じような住宅が同時に販売されている場合、もともとは広い土地だったということがよくあるのです。
住宅に適した広さの土地は、住宅用地として売り出せば買主が見つかりやすいでしょう。
しかし、住宅用地としては広すぎる土地の場合、商業施設や工場、事業所などを建築したいという方をターゲットに売り出すか、駐車場として活用するか、使い道が限られてしまいます。
また、建物が建っていない土地は固定資産税が高いため、売却したいと考える方も多いのですが、広すぎるとなかなか買主が見つからないケースも少なくありません。
そこで、ハウスメーカーなどは、安い価格で土地を仕入れ、住宅に適した広さに分割して住宅を建築し、土地とセットで販売するのです。
土地の仕入れ値が安い分、建売住宅を安く販売できる点が、スケールメリットの1つだといえます。
材料を大量に仕入れる
住宅に限らず、商品を大量に注文することで、少量を購入するより安く仕入れられる場合が多いです。
建売住宅はパターンが規格化されているため、注文する仕様や設備、材料などもほぼ決まっています。
1棟ごとにオーダーメイドで建築する注文住宅は、その家に使用する材料などを住宅ごとに指定して注文しますが、建売住宅は大量に注文してコストを抑えることが可能です。
また、建売住宅で使用する材料や設備のグレードは、標準であることがほとんどです。
標準のグレードのものは、材料や設備のメーカーでも生産数が多いため、同時に大量の注文をすることで、安く仕入れられる傾向にあります。
このように、ハウスメーカーが広い土地を安く購入し、材料を大量に仕入れることでスケールメリットを得られる点も、建売住宅が安い理由の1つなのです。
建売住宅が注文住宅より安い理由3:その他のポイント
建売住宅が注文住宅より安いのは、人件費を抑えられる点や、スケールメリットがある点が理由として挙げられることを前章で解説しましたが、ほかにもコストを抑えるポイントがあります。
そこで最後に、建売住宅が安いその他の理由について解説します。
モデルハウスを建てる必要がない
ハウスメーカーが住宅を販売する場合、住宅展示場にモデルハウスを建てるのが一般的です。
モデルハウスを建てるためには、当然のことながら建築費用がかかります。
また、住宅展示場に訪れる見学者を案内するために、担当者を配置しなければなりません。
とくに、住宅展示場は、土曜日や日曜日に訪れる方が増えます。
内覧者を集めるためには、粗品を準備してイベントをおこなうケースも多く、その費用や対応するための人件費もかかります。
建売住宅は、ハウスメーカーが購入した土地に、販売するための住宅を建て、実際に内覧してもらうことが可能です。
何棟も建売住宅を建てる場合は、そのうちの1棟をモデルハウスにすることもできます。
住宅展示場のように、案内係を配置する必要がなく、内覧会を決めて開放すれば、その日だけ担当者を配置するため、人件費の削減にもなります。
つまり、モデルハウスとして別途家を建てる必要がない分、コストを抑えられるのです。
建売住宅は、実際の日当たりや周辺環境なども現地で確認できるため、住宅展示場より生活のイメージがしやすい点は、買主にとってもメリットになります。
したがって、実際にそのエリアで住宅を購入したい方が訪れるため、成約に直接つながりやすく、ハウスメーカーにとっても効果的な販売方法だといえます。
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オプション工事を別費用にする
建売住宅の設備は、標準のグレードのものが多いことも、価格が安い理由の1つです。
もしグレードを上げたい場合は、別工事となります。
また、建物の本体価格は安いけれど、カーテンレールや網戸などがオプション工事になっているケースもあります。
したがって、建売住宅を購入する際は、どの設備までが販売価格に含まれているのか、そのほかの工事は必要なのかを確認したうえで検討することが大切です。
まとめ
建売住宅は、注文住宅より安い価格で購入できます。
その理由は、人件費の削減や、使用する材料を安く仕入れるなど、注文住宅とは異なる建築方法で建てるためです。
建売住宅は、マイホームの購入費用を抑えたい方にとっては購入しやすい住宅であるため、設備のグレードやオプション工事の必要性などを確認し、納得したうえで検討しましょう。